Writings
グルーヴ! 「心地よい」演奏の秘密
クラシック音楽に「グルーヴ」は存在するのか ― 音楽体験の本質を追求する民族音楽学者が、演奏の第一線で活躍する10人に聞く。
著者
堀米 ゆず子 著/鈴木 学 著/上野 真 著/池松 宏 著
岡田 全弘 著/池上 亘 著/吉田 將 著/矢部 達哉 著
下野 竜也 著/小曽根 真 著/山田 陽一 編
はじめに(山田陽一)
1 「音楽を造り込む」堀米ゆず子(ヴァイオリン)
「引き」と「押し」/ 「ずれ」と「流れ」 / 「心地よさ」と「ゾクゾク感」 / 和音の中の「響き」 / 「身体」「流れ」「響き」
2 「響きのかたちをイメージする」鈴木 学(ヴィオラ)
小節線と演奏の自由 / 演奏の「ずれ」 / ヴィオラの音色と「ドライヴ」 / 「響き」の丸いかたち / 「響き」のテクスチャー
3 「インテグラル(統合された)グルーヴ」上野 真(ピアノ)
「テクスチャー」と「流れ」 / グールドとバッハ / 「グルーヴィー」な演奏 / 反復、刻み、ルバート
4 「みんな、ぼくの手のひらの上で踊ってる」池松 宏(コントラバス)
ウィンナ・ワルツの「グルーヴ」 / おねしょの快楽 / 「ずれ」の気持ちよさ / シンフォニックな「響き」
5 「ティンパニは子音の響き」岡田全弘(ティンパニ)
「響き」の配分 / みんなを縛らない音 / ウィーン・フィルの「響き」 / 「押し」と「引き」 / 子音の「響き」 / ベートーヴェンのリズム
6 「音楽で大切なのは遊びだ」池上 亘(トロンボーン)
「遊び」と「ずれ」 / オーケストラでの役割 / 他の楽器をどう意識しているか? / シンフォニックな「響き」 / 「ずれ」を許容する
7 「ハーモニーがグルーヴを生む」吉田 將(ファゴット)
ファゴットの音──オケと室内楽 / 「揺れ」「ずれ」「溜め」 / 「ベトーヌング」 / 極上のハーモニー
8 「いい響きを作るには?」矢部達哉(ヴァイオリン)
パルスの感覚 / 一体感のある演奏 / 指揮者の在りかた / 「ずれ」と「響き」 / 「心地よさ」と感動 / 「響き」の質
9 「響きのあいだを人が繋ぐ」下野竜也(指揮)
「ずれ」「軋(きし)み」「遊び」 / 演奏への準備 / 「ドライヴ」「憑依」「ゆったり感」 / 「響き」「揺らぎ」「テクスチャー」 / 望ましい「グルーヴ」とは?
10 「音楽を共有すること、繋がること」小曽根真(ジャズピアノ)
「グルーヴ」の基本 / 音楽の行きたい方向 /「レイドバック」の喜び / 「グルーヴ」の気持ちよさ / 音が飛んでいく / 音楽は生きている
おわりに(山田陽一)